小学1〜3年生の子が学校を休んでいて、家や教育支援センターで過ごした日を「出席扱い」にしてもらえるのかを調べている方へ。
文部科学省の調査では、小中学校の不登校は35万4千人(令和6年度)でした。
出席扱いには文部科学省の通知に書かれた要件があり、小学校も対象です。判断は校長です。この記事は、通知の言葉と、学校への最初の一言だけを書きます。
この記事の数字は2026年9月時点のものです。
小学生の不登校で出席扱いが使われうるのは、2つの場面
出席扱いの通知は「義務教育段階」の児童生徒を対象にしています。小学校の低学年も入ります。低学年だから対象外、ということはありません。
いまの過ごし方に近い行だけ読んでください。
| いまの過ごし方 | 使われうる通知 | 決めるのは | 低学年の親がこの時期にできること |
|---|---|---|---|
| 教育支援センターなど、学校の外の施設に通っている(通い始めたい) | 令和元年通知の別記1(学校外の公的機関・民間施設) | 校長 | 通っている(通いたい)ことを担任に伝える |
| 家でタブレット・パソコン・郵送の教材などで学習している | 令和元年通知の別記2(自宅でのICT等の学習・7要件) | 校長 | 何を・どのくらい学習しているかを、担任に伝えられる形にしておく |
| 家で過ごしていて、学習はまだしていない | どちらにもまだ当たらない | — | 先に相談先を1つ知っておく(下の窓口) |
別記2の要件には、自宅のICT等の学習を出席扱いとするのは「基本的に」学校外の施設で相談・指導を受けられないような場合、と書かれています。通知の順番では、学校の外の施設(教育委員会などが置く教育支援センター)が先に来ます。
お金をかけた教材を使わないと出席扱いにならない、とは通知に書かれていません。
出席扱いの要件は、文科省の通知にこう書かれている(判断は校長)
もとになっているのは、文部科学省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日・元文科初第698号)です。別記2が、自宅でICT等を使って学習した場合の出欠の扱いです。
別記2は、要件を満たしたときに校長ができることを、こう書いています。
> 校長は,指導要録上出席扱いとすること及びその成果を評価に反映することができることとする
「できる」と書かれているので、出席扱いにするかどうかの判断は校長です。要件を満たせば自動で出席になる、という書き方ではありません。
別記2の要件は7つです。通知の言葉のまま並べます。
1. 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
2. ICT等を活用した学習活動とは,ICT(コンピュータやインターネット,遠隔教育システムなど)や郵送,FAXなどを活用して提供される学習活動であること
3. 訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とすること。対面指導は、当該児童生徒に対する学習支援や将来の自立に向けた支援などが定期的かつ継続的に行われるものであること
4. 学習活動は,当該児童生徒の学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること
5. 校長は,当該児童生徒に対する対面指導や学習活動の状況等について,例えば,対面指導に当たっている者から定期的な報告を受けたり,学級担任等の教職員や保護者などを含めた連絡会を実施したりするなどして,その状況を十分に把握すること
6. ICT等を活用した学習活動を出席扱いとするのは,基本的に当該児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること
7. 学習活動の成果を評価に反映する場合には,学校が把握した当該学習の計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断される場合であること
出典:文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」(元文科初第698号 別記2)
7つ目は、成果を「評価に反映する場合」の条件です。別記2には、出席扱いとした場合も、必ずその成果を評価に反映しなければならないわけではない、とも書かれています。
教育支援センターなど学校の外の施設に通う場合は、別記1に要件があります。施設は教育委員会等が設置する教育支援センター等の公的機関とし、公的機関での指導の機会が得られない・通うことが困難な場合で、本人や保護者の希望もあり適切と判断される場合は、民間の相談・指導施設も考慮されてよい、とされています。この場合も「校長は指導要録上出席扱いとすることができる」と書かれています。
出典:文部科学省「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」(元文科初第698号 別記1)
出席扱いと成績評価は、別の通知で決まっている
「出席扱いになったら、成績もつくのか」は、別の制度です。欠席中に家などで学習した成果を成績評価に反映する仕組みは、令和6年8月29日の通知(6文科初第1126号)で示されました。この通知の要件は3つです。
1. 学習の計画・内容が、在籍する学校の教育課程に照らし適切と認められるか、学校が確認すること
2. 学校と保護者等の間に十分な連携協力体制が保たれ、学校が保護者等を通じて学習活動の状況等を定期的・継続的に把握すること
3. 学校が、訪問による対面指導やICTを活用したオンラインでの相談・指導等を通じて、本人の学習活動の状況等を定期的・継続的に把握すること
同じ通知は、指導要録上の出欠の扱いは「引き続き令和元年通知に基づき対応する」としています。つまり、出席扱いは令和元年の通知、成績評価は令和6年の通知、と分かれています。どちらも学校が判断します。
出典:文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」(令和6年8月29日・6文科初第1126号)
小学生の不登校で、出席扱いを学校に相談するときの伝え方
要件の1つ目が「保護者と学校との間に十分な連携・協力関係」なので、まず担任に相談する、から始めるという選び方があります。
担任への最初の一言(電話・連絡帳・学校のアプリ)
> 「◯年◯組の◯◯の母(父)です。家での過ごし方について、出席の扱いも含めて一度ご相談したいです。お時間をいただける日はありますか。」
教育支援センターに通っている(通い始めた)とき
> 「◯日から、市の教育支援センターに通っています。通った日の扱いについて、学校のお考えを聞かせていただけますか。」
家で教材を使って学習しているとき
> 「家でタブレットの教材を使って、毎日◯分ほど学習しています。学習の記録をどうお届けすればよいか、ご相談できますか。」
面談では、決めるのは校長であることを前提に、「学校として何があれば判断しやすいか」を聞いておくと、次に用意するものが分かります。担任と話しにくいときは、教頭や、学校のスクールカウンセラーに間に入ってもらえるか聞くこともできます。
自宅学習で出席扱いを相談する前に、家でそろえておくこと
別記2の7要件のうち、家の側で準備に関わるのは主に3つです。低学年の子は自分で記録をつけるのが難しいので、記録を誰がどう学校に届けるかを、先に担任と決めておくという選び方があります。
| 要件(別記2) | 学校が見たいこと | 家でそろえておくもの |
|---|---|---|
| 2 ICT等を活用した学習活動 | 何を使って学習しているか | 使っている教材・プリントの名前と、どんな形(パソコン・タブレット・郵送など)か |
| 4 計画的な学習プログラム | 子の理解の程度に合った計画か | だいたいの学習の予定(曜日・時間・内容) |
| 5 校長が状況を十分に把握 | 定期的な報告や連絡会で状況が分かるか | 日付と学習した内容の記録。届け方(週1回の連絡帳・面談など)は学校と決める |
要件3(訪問等による対面指導)と要件6(学校外の施設で相談・指導を受けられない場合)は、学校側と一緒に確かめる項目です。家だけでは決まりません。
教材が有料か無料かは、要件に入っていません。学校から配られたタブレットやプリントで学習している場合も、まず担任に「この学習を記録に残せるか」を聞いてみてください。
出席扱いの前に相談できる無料の窓口
学校との話し方に迷うとき、学校以外にも無料の公的な窓口があります。子ども本人からでも、親からでもかけられます。
- 教育支援センター(適応指導教室):お住まいの市区町村の教育委員会が設置。利用は無料。名称は自治体で違うので、教育委員会に「教育支援センターはありますか」と聞く。通った日の出席の扱いも、ここで学校とのやりとりを相談できるか聞いてみる
- スクールカウンセラー:在籍している学校に、話を聞いてもらえるか問い合わせる
- 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(文部科学省。24時間)
- 子どもの人権110番:0120-007-110(法務省。平日8時30分〜17時15分・無料。子どものことで悩む大人もかけられる)
- 児童相談所相談専用ダイヤル:0120-189-783(こども家庭庁。無料)
- 親自身が眠れない・つらいとき:こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(厚生労働省。通話料がかかる。受付の曜日・時間は都道府県で違う)
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」/文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」/法務省「子どもの人権110番」/こども家庭庁「関連サービスの相談窓口」/厚生労働省「まもろうよ こころ」
窓口の一覧は相談できるところにもまとめています。
休んだ日数の数え方から読みたいときは → 小学生・低学年の子は何日休んだら不登校?(①行けなくなったの記事・公開後にリンク)
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よくある質問
不登校の出席扱いのガイドライン(条件)は、どこに書かれていますか?
文部科学省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)の別記1・別記2です。自宅でICT等を使う場合の要件は、別記2に7つ書かれています。 → 通知の要件
オンラインやタブレットの学習も、出席扱いの対象ですか?
別記2の要件を満たす場合に、校長が出席扱いとすることができる、とされています。判断は校長で、学習がオンラインかどうかだけでは決まりません。 → 出席扱いが使われうる2つの場面
出席扱いになったら、成績もつきますか?
別の制度です。成績評価は令和6年8月29日の通知に3つの要件があり、出席扱いとした場合も、必ず成果を評価に反映しなければならないわけではありません。 → 出席扱いと成績評価は別の通知
出席扱いは、誰が決めますか?
校長です。通知は「校長は,指導要録上出席扱いとすること…ができる」と書いています。まず担任に相談するところから始められます。 → 学校への伝え方
今日できることは1つ、担任に「出席の扱いも含めて一度ご相談したいです」とだけ伝えることです。